つちやみきコラム |
19 10 18 Fri
Vol.34 「現実とこころ」 |
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私の仕事は「現実的な生活をどのように送るか」から“身体を整えていく”というものと「今抱えている問題をどのように考えていくか」から“こころを整理していく”という二極から成り立ちます。
「あんた、なんの仕事してんの?」
と思っていたみなさん、こんな仕事です。ですから、健康産業にもかかわりますし、精神疾患の勉強も必要ですし、スポーツ医科学を基礎としてアスリートにもかかわっています。
「カラダエリア」と「アタマエリア」を重ねて観ていく人です。
でも、そんなに特殊なことではありません。例えば「骨を折る」という言葉は、カラダエリアのとらえ方をすると“骨折”、アタマエリアのとらえ方だと“大変な思いをした”という風に理解します。大きな違いは現実に目に見えやすいものか、見えにくいものかの違いに過ぎません。
目に見えるものはアドバイスしやすいですし、改善方法や対処方法がわかりやすいですよね。ですから、アスリートは外科的なトレーナーが主流です。目にみえにくいものでも、スポーツ心理のようにしっかりと結果となれば、重要なことが世に認知されるわけです。
そして、私の得意とする内科学に関しては、まだまだなんですよね。一、二を争うくらい大事なのですが、すぐに目に見えにくい、スペシャリストが少ない、私の努力が足りないに尽きますね。で今、目にみえない部分を物理的に見やすくするという課題クリアに取り組んでいるところです。
現実(カラダ)と心(アタマ)の話に戻ると、目に見えなくて解決の糸口がみつかりにくい心の問題の場合には、カラダを使うと有効であるということです。目に見えるものからアプローチしていくのです。心が沈んでいるときには、睡眠を見直してみる、睡眠がままならない場合には、食事や生活環境を見直す、など、見えやすい部分を変えることで、見えにくい部分が変わることも多いのです。
人間関係が上手くいかないときには、心の距離をどうにかしようとせず、物理的な距離を変えてみる(離れてみる)など、カラダエリアに目を向けてみましょう。
カラダとアタマ(こころ)は意外と同じような構造であると私は思っています。構造がある限り、仕組みがあるわけで、その仕組みは少しのことで狂ったり、正常に働いたりするわけです。一見複雑そうな心や社会を、単純に構造化して考えてみることも大事だと思っています。ああ、こんなことだったのか…と思うこともあるかもしれません。
大きな災害や悲しい事件、どうにもやりきれないことも多いのが人生です。それでも生きるしかないのです。本当にしんどいときには、わかりすいこと、やりやすいことから行動してみてください。物を必要以上に増やさないということや、ご飯をしっかり食べることや、少し身体を動かすことなど、出来ることからすることが心の負担を少しだけ軽くすることもあります。