つちやみきコラム |
19 05 02 Thu
Vol.22「甘えてるんじゃないよ」 |
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春は東京の電車がよく止まります。毎日のように人身事故があります。春はそんな季節なのです。
最近「人体はこうしてつくられる」(ジェイミー・A・ディヴィス)を読了しました。難しい本ですから読めとは言いませんが、その一文にこんなものがありました。
「ヒトの生が死に依存しているというのもまた、生命の数多ある皮肉の一つである。」
人はたくさんの細胞の死がなければ、生きていけない仕組みになっています。細胞が自ら死を選んでいきます。生きていくためです。つまり、組織によって不要なものは死んでいく、必要なものは残るということを繰り返していきます。
だから自分の身体は必要なものだけで出来ているのに、人はなぜ死にたくなるのでしょうか。
本来の人間のシステムからいうと、自分を守るのは自分でしかないということがわかります。「なんで自分はこんな不幸なのだろう」と思うのは、誰かに何かを頼ろうとしています。誰かが助けてくれると思っているから、自分が悪い方向に進んでいても修正する方法がわからないのです。
カウンセラーをしていて、一番わかったこと。その傾向にある人は、辛い時には昼夜問わず連絡してきて助けてくれと言うのに、大丈夫になったらなんの報告もないことです。私は、カウンセラーになりたての頃、むなしい仕事だな、と悩んだことを覚えています。
要するに、自分が一番かわいい、他人は頼るだけの相手、他の人への思いやりが持てないという人が思い悩むのです。よく「自分を大事に」とインチキ(っぽい)カウンセラーは言いますが、違うと思います。
大切にするのは、自分の身体であって、自分の気持ちだけ大切にしても幸せな気持ちは得られにくいのです。
私は「まわりにも思いやりを持て」「人にかかわれ」「がりがりくんはコーラ味」と強く思うわけです。誰かにすがりたくなる気持ちもわかりますが、自分は自分で守る、他人には思いやりを持つ、それだけで人生が変わるはずです。
毎日、全力で生きる必要なんてないのです。
ただトレーニングも人生も、辛いと思ってからが醍醐味です。そこからが筋肉も自分も喜ぶゾーンなのです。g(がんばればなにかある)zone(幸せのゾーン)、g-zone。
何かに迷ったら運動しにおいで。g-zoneスタッフが大きく、いい加減な愛で迎えます。